トルネード (カナダ1回目 #34)
顧客のOfficeで、或る日、一斉緊急アナウンスが流れた。
「トルネード注意報が発令されました。
今後、トルネードが、ここに近づく場合は、再度、アナウンスします。」
顧客のOfficeで、「ワォ!」、とドヨメキが出た。
アメリカでも、カナダでも、私の顧客のOffice、工場には、
トルネードに備えた「避難部屋」が設置されており、
竜巻のマークが、その部屋に前には掲示されている。
その多くは、殆どがトイレで、竜巻により、建物が被害を受けても、
その「避難部屋」だけは大丈夫なように、
コンクリート・ブロック構造で、いかにも頑丈な造りと成っている。
その日は、確かに雲行きがオカシク、また、湿度も高い、風の強い日であった。
PCでアメリカの気象関係のWEBに行き、トルネードの情報を調べる。
それまでの12時間の経過を見ると、確かに、こちらに向かっているが、
もし、ここまで来るとしても、まだ、4、5時間は、かかりそうだ。
建物の外にでて、デトロイト方向の雲を見ていた。 同じく空を見ていたカナダ人が言う。
「1976年、トルネードが、この街を襲った。
大きな農場、牧場が被害を受け、通過したトコロは壊滅状態だった。
私の知り合いの家、築後100年程の、とても大きな古い家、
トルネードに巻き込まれ、数m、その家が浮いて、少し回転して、また、着地したそうだ。
そこの奥さん、キッチンに居たらしいが、かなり太った女性だが、
彼女のカラダも浮いて、キッチンの中を、グルグル、浮いたまま回ったそうだ。
幸いにも、誰も怪我は無かったが、当然、家は、もう住めないし、
彼女も、精神的に大きなダメージを受け、それ以来、
雨が降るだけで、地下室に逃げ込むようになった、との事だ。
トルネードが来る時は、嵐の前の静けさ、
風が弱くなり、暖かい湿った弱い風が吹く、と言われてるが・・・」
と会話をしていたら、急に風が止み、そして、湿度の高い風が・・・
2人で顔を見合わせて、ほぼ同時に同じ言葉を発した・・・
「Go Home!」
結局、その日のトルネードは、デトロイトで消滅し、被害は何も無かった。
ほんの少し、小規模なトルネードなら、見たかったというが、実は、本音であった。