デッドヘッド (フライト #10)
デッドヘッド
日本へ帰国する時のフライトで、
カナダのロンドン空港から、デトロイト空港への移動のハナシ。
機材は、プロペラ機。 何とも、ローカル色が豊かである。
これくらいの機体では、もう、完全にバス感覚。
少々、お歳をめしたCAも、
「今日は、とても天気が良いので、安定したフライトに成りますね。
一眠りする時間も無い短いフライトですが、楽しく飛びましょう!」
などとアナウンスして、お客とのコミュニケーションを図る。
飛行機がデトロイト空港に着陸する。
機体が完全に停まり、乗客が席を立とうとすると、
「お客様、皆さんにお願いします。
それぞれの席の窓のブラインドを閉めてから、
飛行機を降りてください。 ご協力をお願いします。」
ははは! いいなぁ! お客を使うなんて!
皆、何だか学校の先生の指示に従う生徒のように、
従順に、それぞれの窓のブラインドを閉めてから、出口に向かう。
タラップを降り、バスに乗る。
女性の地上係員が、バスの中で、乗客に中央に立ち、アナウンスを始める。
こんな経験は初めてなので、何か、
特別なハナシでもあるのか、と注意して聞くが、
「先ず、入国審査をしてもらいます。 全員です。
その後、やはり全員、預けた荷物を引き取り、
税関審査を受けて貰います。」
「海外」に慣れていない乗客が、たまたま居たのか・・・?
私には、当たり前の手続きのハナシであった。
その説明が終わり、彼女が人数を数える。
ウォキートーキー(トランシーバー)に向かい、
「乗客12人、クルー3人、CA1人、全員、揃いました。」
その声で、バスの運転手がドアーを閉めた。
バスが、まさに発進しようとした時、外からドアをガンガンと叩く音が・・・!
運転手がドアを開けると、肩に4本線の制服男性が・・・
機長だ!
多分、「Dead Head」だった、と私は思う。
映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で有名になったが、
Dead Headとは、
「クルーを移動するのに乗客として移動させる事、
乗務以外の目的のために便乗する乗務員のこと。」
なので、あのフライトには、機長が2人、乗っていたのだ。
その機長、大きなパイロット・バッグを、わざとドカン!とバスの床に置いて、
「ハア~!」
と大きなため息をついて、アタマを何度も振る・・・
トランシーバーで、「全員、揃った」とアナウンスした女性、
「ごめんなさい!(笑)」
バスの中は、大笑いだった。