巣立ち Leave a Nest (#76)
Naokiの事、しばらくは書かないでおこうと思ったが、今回で一区切りとしたい。
「また、すぐに逢えるのだから」と、自分に言い聞かせてみても、
どうも、それだけでは自分の気持ちが一向に治まらない事に気が付いた。
落ち着いて考えてみると、無論、彼が去って一人になる淋しさ、これが無いと言えば嘘になる。
が、今までに何度も色々な海外で長期滞在している私、
こういう状況は、ある意味では慣れている。
しかも、2週間足らずで日本で逢える、なのに、あのNaokiの後姿に感じたモノは・・・
Naokiが去る時に感じた想い、あんな気持ちに成ったのは初めての経験で、
77日の滞在など、すぐに終わる、楽しい日々はアッと言う間に過ぎる、
と理屈で別れの日の自分の心理状態に対して、予防線を張っていたが、
しかし、現実には、その予想とは全く違う想いに捕らわれた・・・
あれは、もしかしたら、息子の「親離れ」ではなかったのか、と・・・
彼と過ごした77日間、素晴らしく楽しかった。
それが、2ヵ月後に終焉すると分かっていても、毎日がとても楽しかった。
息子を私が独り占めしていた。
いや、77日間だけではない、20年間、Naokiの優しさ、素晴らしさを、
父親として、独占していたかも知れない。
それが、今、終わったのだ・・・
カナダでの共同生活が終わっただけでは無い、
いつまでも一緒に居たい、傍に置いておきたいと考える親に対する子供の、
そういう状態、環境、生活が終わったのだ、と・・・
私が考えていた以上に、臆することなく外国人だけの中に飛び込んで行ったNaoki、
Schoolでは、先生とも生徒とも仲良くなり、可愛がってもらい、
また私の会社のStaffとの交流も楽しく、立派にこなしたNaoki・・・
私は、この77日間で、彼の本来の素質を目の当たりにした、
また同時に、日々の成長をも、毎日見る事が出来た。
昨日のハンバーグを見つけて感動した時とは違い、
毎日の少しづつの変化、成長を見ていた私、
それが、彼の帰国の際に、全てハッキリと確認が出来た、
そういう面が少なからずあると思う。
私自身、自分の持つ海外での交渉力、臨機応変な対応、
日本人としての振る舞い、国際人としてのマナー・・・
今、自分が持ち得るモノの全てを今回、Naokiに見せておきたかった、
伝えておきたかった、理解して欲しかった。
そして、今感じるのは、息子がそれを吸収したという実感なのだ。
あと、私が子供に残したいモノ、学ばせたいモノがあるとすれば、
この文章を作る、楽しくモノを書くという事、これくらいかも知れない・・・
今、落ち着いて自分の気持ちを、私は、そう解釈している。
親の伝えたい事を受け止め、それを昇華する子供・・・
その姿に、もしかしたら、感動していたのかも知れない・・・
または、「私」という教師から巣立ちをする「生徒」を見送る寂寞感だったのかも知れない・・・
私も、成長しなければイケナイ、親離れを受け止めなければイケナイ、
ただ、それには、自分が考えていた以上に、時間が、少しかかるのかも知れないが・・・
きっと、この自分の気持ちの分析は、間違っていない、そう感じている。
今、Naokiが作ったハンバーグを、今日はタップリのレタスを挟んで食べた。
美味い!
Apr 10, 2005