アイルトン・セナ
アイルトン・セナ
休日に、サンパウロの中心部に出かける。
クルマが信号に停まるたびに、
売り子が、そして乞食が、クルマに寄って来る。
メキシコと同じだ。
街の中心部では、ノミの市が開かれている。
公園に、広場に、一杯の露店。
お客よりも、売り子の方が、かなり多い。
土産物となる物品を売っている露店が多いが、
どこも、同じようなモノを売っている。
市の見物後、アイルトン・セナの墓に向かう。
あの、セナが事故で死亡した1994年の5月、私は日本に居た。
当時、ブラジルProjectに従事しており、
同じく日本に来ていたブラジル人グループを、
休日の日本観光に連れて行く予定をしていた。
待ち合わせの朝、彼等が滞在していたホテルにPick Upに向かった。
その日は、セナが事故で死亡した、翌日であった。
彼等とロビーで顔を合わす。
全員と握手しながら、朝の挨拶を交わす。
皆、笑顔だ・・・
あのNEWSを知らないようだ・・・
私が、
「昨夜、TVを見たかい?」
「いや、時差ボケのせいか、すぐに眠ってしまった。」
「そうか・・・ 実は、とても悪いNEWSがある。
昨日、F1サンマリノ・グランプリがあった事は知ってるよね・・・
そのレースで、セナが事故で亡くなった。」
ブラジル人グループのリーダー、大笑いして私の肩を叩き、
「mikio! あまり上手なジョークじゃ無いね!」
全員、全く信じていない、皆、冗談だと思い笑っている。
彼等にセナの死亡記事の新聞を見せた。
私の手から、新聞を奪うように取り、全員で写真を見入っていた。
言葉を失う彼等・・・ 数分間、誰も何も話さない・・・
「おお・・・ 神よ! 何故、あの英雄が・・・!」
リーダーが、左右の手を組み、搾り出すように言った・・・
私が、せっかくアレンジした日本観光という事で、
その日は予定通り、観光に行ったが、車内の空気は重かった。
「あなた達、ブラジル人だけではないよ、悲しいのは・・・
私も、彼のファンだった・・・」
F1パイロット、アイルトン・セナ、彼は、英雄中の英雄であった。